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「トマトスープ缶」de「カニカニトマトパスタ」の巻き

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「そうだ、北へ 行こう(その5)

<前回までの続き> 前回記事はコチラから→「その1」、「その2」、「その3」、「その4
「旅」というものに憧れていた、ニ十歳の頃の私は、
「青春18切符」を片手に、北へと向かう電車の旅に出かけた。
3日目。ようやくたどり着いた北海道だったが、
美味しいものを食べようという当初の目的も果たせず、私は失意のまま、
駅構内の個室トイレで眠ることとなった。
気付けば、切符の有効利用日数は残り2日間。
旅を終らせるため、駆け足で来た道を引き返さなければならない。
タイムリミットの迫るなか、4日目の朝が明けようとしていた…。

44時間:25分:28秒

         44時間:25分:27秒
 
               44時間:25分:26秒……

とにかく、急がなければならない。

急がなければ帰れなくなる。私は始発前の函館駅で、ひとり焦っていた。
「青春18切符」の有効利用日数をオーバーしてしまうのもそうだが、
旅の日程を延長して、当時勤務していたアルバイト先に迷惑をかけるわけにもいかなかった。

4日目の目標は東京まで辿り着くこと。
そうすれば、あと1日かけて、実家の岐阜へと帰ることができる。

東京、東京、東京…。
そういえばと、中学からの同級生が東京に住んでいたことを思い出す。
電話をかけてみると、夜も明けきらない早朝だというのに、友人は元気よく起きていた。

「もしもし。あのさぁ、俺いま、青春18切符を使ったひとり旅の最中で、北海道に来とるんやけど」
「旅? なにそれ? 旅行とちゃうんか?」
「いや、旅行じゃない。旅や、旅。なぁ、ところで相談なんやけど、今日お前んちに泊めてくれん?」
「別に構わんけど、今日中に東京に来れるん? 確か18切符って鈍行電車しか乗れんやら?」
「大丈夫。何としても辿り着く」

連日失敗が続いていた寝床の確保が、本日は早々に出来てしまったようだ。
あとは、北海道を出発したら、真っ直ぐ東京へと向かうのみ

けれども、私には心残りがあった。
北海道っぽいものを何でもイイから食べておきたかったのだ。

そんな思いが神様に通じたのか、早朝から営業しているお店を見つけることができた。
そして、さらにラッキーなことに、函館駅構内にあるその喫茶店のガラス窓にある貼紙には、
「サッポロラーメン」の文字が恭しく躍っていたのだ。

これだ。これしかない。
私は年期の入った木造の入口ドアを開く。
すると、そのドアに付けられた小さな鐘のオブジェが、
カランとひとつ鳴り、店内に来客がやって来たことを優しく告げた。

本当は「カニ」が食べたかった。けれどもラーメンでイイ。これでイイのだ。

「カニカニトマトパスタ」

<材料:2人前>
スパゲッティーニ…200g
トマトスープ缶…1/2缶
カニ風味かまぼこ…好きなだけ
牛乳…大さじ3
にんにく(みじん切り)…1かけ
オリーブオイル…大さじ2
塩・こしょう…各少々

<手順>
1 フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火で熱し、
  香りが立ったら、カニ風味かまぼこを中火で軽く炒める。
2 弱火にして、トマトスープ缶と牛乳を加え、パスタを絡めたら、
  塩・こしょうで味を調えて、フィニッシュ!

その店で、味噌バターラーメンを頼んだことは覚えているが、
果てしてそれが美味しかったどうかは、いまはもう思い出せない。

ただ、北海道っぽいからと選択したバター味だったが、
後乗せする形式で、ラーメンとは別々に出てきたキューブ状のバター。
それを包んだ銀紙にあった生産地の記載欄に、大阪府と書かれていたことはよく覚えている。
北海道じゃなくて大阪のバターじゃん。ひとりでツッコんでみた…。

私はラーメンを食べ終えると、始発の電車に乗り、往路の旅を開始した。
しかし、正直なところ、ラーメンの味と同じく、私はこの日の記憶がほとんどない。
それというのも、北海道から東京へ向かう旅路は、終始眠りっぱなしだったからである。

始点の電車に乗り、眠り、終点の駅へ辿り着く。
また、そこを始点として、電車に乗り、眠り、終点の駅へと辿り着く。その繰り返しだった。

どうやら疲れのピークがやってきていたようだ。
座りっぱなしのお尻といい、肩掛けバックに磨耗された肩といい、身体の節々も痛んでいた。

それでも電車は、北海道、青森、岩手、宮城と、来た道をひたすら戻っていく。

しかしながら、終電は友人の住んでいた東京ではなく、福島県の福島駅で迎えることとなった。
全然間に合わなかったのである。

またもや、宿無しの夜にたどり着いてしまったのか。

北の地に比べれば、寒さはたいしたことはない。
けれども、私の体力はすでに限界にきていた。もはや宿を探す気力すらない。

あぁ、もう駄目だ。もう一歩も動けない。
駅を出て、福島駅周辺を少しの間、ブラついてみたものの、
やがて、その場にへタレ込んでしまった。

福島駅まわりは繁華街になっているらしく、たくさんのネオンが輝いている。。
やがて、その明かりがじんわり滲んできたかと思うと、今度はうっすらと霞み始めた。
あぁ、駄目だ。こんなところで寝てしまっては…。

最後の力を振り絞って目を開ける。するとさっきまでは気がつかなかったが、
「極楽湯」という看板を掲げた、四角形の大きな建物が、私の目の前に建っているではないか。

ははは。どうやら私は力尽きて、遂に死んでしまったようだ。
そしていつの間にか、極楽浄土へとやってきてしまたらしい…。

次回へと続く


人は誰もただひとり旅に出て~ 人は誰もパスタを茹で上げぇる~♪

BY パスタ熱血向上委員会:書記キムラ


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